アランはかなりの強敵だった。
銃弾が全く当たらないのである。なおかつ反撃も凄い。マシンガン2丁で豪勢に撃ち込んでくる。
空爆により出来た突起に隠れ、どうにか銃弾のオンパレードを凌ぐ。
しかし、その突起もすぐに無駄になった。大きな爆音と共に突起が崩れた。
ロケットランチャーか何かで爆破したのだろう。
すぐにその場から飛び退き、ハンドガンの引き金を引く。しかし、それも徒労に終わった。
Symphony hatred 6
「畜生! 何で弾が当たらない!」
「当たり前だ。貴様らの弾など到底当たらない」
アランがようやく口を開いた。ソニックが狙いを定め、弾が無くなるまで撃つ。
次にアランが取った行動は、普通なら想像しがたい神業だった。
「オイ・・・嘘だろ」
アランが同じ数の弾を撃ち、ソニックの弾に当てて弾き飛ばしたのだ。
人間の持つ動体視力とは思えない、弾を見極めることが出来るのなら、当たるはずがない。
言いようのない絶望感が心臓から血液と共に送られてくる気がした。
そんなソニックを見て、スティーブが応戦しながら助言を送った。
「オイソニック! テメェ何諦めてんだ!」
でも、と言い返そうとしたときだった。
「チェスの駒に、万能な奴なんて一つもない。囲まれれば、必ず取られる」
その比喩表現が、ソニックにはすぐ分かった。
銃を持つ手が、再びアランに向けられる。
「ハッ・・・。チェス好きのお前らしいな、そのアドバイス」
アランの背後に回り、遮二無二弾を撃つ。撃ち落とされる。
更にその背後から、スティーブが撃つ。撃ち落とそうとしてソニックに向けた背後に、また撃つ。
「小癪な・・・虫けらが、上官に逆らうか!」
「この程度で息切らすあんたを上官とは認められねえな」
確かに、アランはかなり疲弊している様子だった。
スティーブの弾を撃ち落としきらないうちに、アランが膝をつく。
「んじゃ、そういうことで」
二人が、アランの頭部に一発ずつ銃弾を放った。
ソニック達は、レベル3を突破した。
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